欲と不安と暮らしの知恵

欲と不安というのは、火と薪のような関係を持っているように感じることがあります。火が穏やかでおさまっているときはいいのですが、そこに薪をくべて火が燃えていくとさらに欲は増大して不安も同時に増大します。その逆に、火が小さく穏やかでいるだめにはあまり火を大きくしないようにすればいいのですがいつか消えるのではないかと不安になっています。

最初から火があることで安心していますが、火がなくなることで不安になるのです。人間というものは、便利なものをたくさん所有すれば所有するほどに所有欲が増大ししていきます。その所有欲はさらに不安を増大させ、さらなる所有をしようとするのです。

私のところによく来て一緒に過ごしている禅僧は、所有欲がほとんどありません。あればいいし、なければなくてもいい。いただけるものはすべて有難いと受け取り、なくなればそれでおしまいという具合です。火がいつも調っているようなまるで炭のような存在です。

私は炭を深く尊敬していますが、炭は一度火が入れば、静かに灰になるまで燃えていきます。もちろん炭をくべればその炭はさらに燃えるのですが、それでも激しくなることはあまりありません。しかしその炭は、もともと薪だったものです。その薪を丁寧に炭にすると火との関係性も変わっていきます。

火の扱い方になれるというは、ある意味で欲の扱い方になれるというということに似ています。そして不安というものもまた、静かに調えていくと身の回りを自然の知恵と共に暮らしていけば安心できることもわかります。

先人たちは、暮らしの知恵をたくさん持っていました。これは欲と不安と上手に向き合うコツを伝承していたのかもしれません。自然と共に暮らし、そして自然の持つ偉大さをいただきながら永続する今を味わう。

自己との向き合い方もまた、この欲と不安が深く関与しますから日々の暮らしを調えていくことが自己を磨き高めることになります。

引き続き、暮らしフルネスの実践を充実していきたいと思います。

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