稲荷神

田んぼには、稲荷神が宿るともよくいわれます。この稲荷神のことを倉稲魂大神(ウカノミタマ)といいます。これは日本神話に登場する女神で、穀物の神として広く信仰されてきました。

『古事記』や『日本書紀』に登場して農耕や商業の神としても崇めらています。この「宇迦」は、古語のウケの変形で穀物や食物を顕します。つまり食べ物つくる神様が稲荷神ということです。

稲荷神は、よく眷属としてよくキツネが祀られます。これは狛犬のように、神様と人を結ぶ使者のように扱われています。山に巣を持ち、田に降りてくるキツネが田を荒す生き物たちから田を守ったからともいわれます。

稲荷神社などにいくとキツネがいますが、何かをくわえて座っている姿が多くあります。それを説明すると、鍵は、穀倉の鍵を顕し収穫の安全や蓄えの守護を象徴しています。また宝珠(たま)は願いがかなう霊的な力の象徴と恵みの成就を意味します。稲束は稲荷の語源に通じる稲と農の神を顕します。そして巻物は知恵・教え・誓いなどを伝承する象徴とされます。

今はあまりキツネを見かけることもほとんどなくなりましたが、むかしは自然の循環や環境においてキツネは人間と近いところで暮らしていたことがわかります。

またいなり寿司というものがありますが、あれはキツネが油揚げを好きだからということから由来しているそうです。

稲荷神社ではよく朱色の社殿や鳥居が使われます。これは諸説ありますが、草木や果実が熟すと赤くなる様子から豊年や成熟する色とされたといいます。五穀の神で木火土金水の五行説の火(赤)は土を生ずることから土壌を肥やすための野焼きの色ともされます。荘厳で朱色の雰囲気は、巫女さんの着衣もですがご神徳を感じるものです。

時間をかけて伝承されてきたものには深い意味と知恵があります。

今年はお水や田んぼとのご縁が増えていますから、稲荷神のことも学び直していきたいと思います。