暮らしの知恵

今度、むかしの五穀田の草取りの日にインドのスパイスカレーの体験をセットにしています。はじめての出会いは、リズム&ドラム演奏で著名な三嶋ラッコさんのご自宅で奥様のカレーをいただいたことです。奥様は、長年インドで修行生活をしていて子育てもインドでやってこられた異文化を受容するような豊かな感性の方でした。

その独自に調合されたスパイスカレーがとても美味しく、これはいつか暮らしフルネスの中で体験したいと願って今回がその機会になります。

そもそもインドのスパイスカレーの歴史はとても古く、高温多湿の日本と気候条件も近く、医食同源に太古のむかしから人類の健康を支えてきた大切な暮らしの知恵としての食べ物でした。

インドのアーユルヴェーダでは、食べ物は薬であり、薬もまた食べ物であるという考え方があります。病気になってから治すのではなく、日々の食事によって心身の調和を保ち、健康を育むことを大切にしてきました。インドではその中心はスパイスです。

例えば、ターメリックは抗酸化作用や抗炎症作用をもち、体内の炎症を穏やかに整えます。クミンは消化を助け、胃腸の働きを高めます。コリアンダーは余分な熱を鎮め、カルダモンは口や胃を爽やかにし、シナモンは体を温めて血行を促します。クローブやブラックペッパーには抗菌作用があり、フェヌグリークは血糖値や代謝を支える働きがあるとされています。それぞれが異なる役割をもちながら、組み合わせることで互いの力を引き出し合うという具合です。

まるで漢方薬のようにあらゆる薬効を調合して最適なものにする。腸内環境の具合をみながら食材の能力を活かし、健康を調える。ここには最古の医療の原型があるように私は直感します。

その調合のことをインドでは、「マサラ」といいます。

このマサラとは特定の一つのスパイスではなく、「調合」を意味する言葉です。家庭ごとに受け継がれる配合があり、母から娘へ、祖母から孫へと伝えられてきました。同じカレーでも家によって味が違うのは、それぞれの家に「我が家のマサラ」があるからです。

家々の家庭の味、お母さんの味がスパイスでできているというのも浪漫があります。その家の家庭の体質にも調和して見事なことです。私の家は、胃腸が強くないのと皮膚も弱いです。お水をよく飲みます、なので子どもたちが自然に美味しいと感じるお母さんの味付けの調合が自然にでてきます。それがお母さんの味になります。

暮らしというのは、なぜ智慧があるか。

そこには、先人たちの思いやりや優しさがあるからです。私が暮らしフルネスで実践するのもまた、その真心を味わいながら暮らしていく安心感が得られるからです。

田んぼの草取りとインドスパイスは、医食同源の掛け合わせです。

場がどのように人間性を快復していくか、そして子どもたちを支えていくか。

一緒に大地の巡りを整える養生と、スパイスで身体の巡りを整える養生をし暮らしを調えていきたいと思います。古民家和楽の冷たい地下伏流水で竈で炊いたご飯で食文化を味わうのが楽しみです。