養生というものがあります。これは「生命を養い、生きる力を育てること」とも定義されます。「養」は養う・育むこと、「生」は命・生命を意味していて命を大切に育み、天から授かった生命を十分に生かすための生き方のことをいいます。
本来人間は自然の一部です。ついつい忘れてしまいますが、自然から離れることで様々な不調和が発生してきます。それが精神をはじめ心身の不調和を起こし生命力が弱り病気になります。
現代はそれをサプリや薬で補おうとしますが、そもそも不自然な暮らしの中で病気を産むような生活をして対処療法ばかりを続けていてもそのうち限界を迎えます。その前に、自然に沿った暮らしによって限られた生命力や自然免疫力によって快復していくことに努める方が安心ということでしょう。
古代中国の医学書である黄帝内経に、「聖人は已病を治さず、未病を治す」と記されます。これは優れた人は病気になってから治療するのではなく、病気になる前から暮らしを調えることで病気そのものを未然に防ぐという意味です。
養生とは、この「未病を治す」という思想を日々の暮らしの中で実践する方法ともいえます。
日本で養生訓を記した貝原益軒はその著書の中で、健康の秘訣を特別な薬や秘術に求めず、食事、睡眠、労働、休息、節度、心の持ち方といった日常生活の積み重ねにこそあるといいました。
そしてその3本の暮らしの柱は、身を養い、心を養い、徳を養うともいいました。私なりに深く洞察するなら、徳を磨き積むことが心身そのものを調え、自然に沿った生き方になり人間のいのちが真に豊かに全体と喜び合えるように暮らすことができるということでしょう。
そして養生には、食の養生というものもあります。自然のめぐりに沿って食べていく知恵。例えば春は芽吹くもの、夏は体を冷ますもの、秋は潤すもの、冬は温め蓄えるものなどです。
当たり前のことですが、現代はこの当たり前ができない環境の中で暮らしています。
子どもたちが将来、何が自然で何が不自然かの軸が失われないように場づくりを通して結んでいきたいと思います。
