英彦山の宿坊の池には岩魚(イワナ)を飼育しています。この「岩魚」の語源は、主に渓谷の岩陰や岩のある淵に生息する特性からで「岩の間にすむ魚」という意味で名付けられています。語尾の「ナ」は他の魚の名前でも見られるように、魚を意味する古語だといいます。また別の漢字で「嘉魚」とされます。嘉は「よい」とされ、私の故郷も元は嘉穂郡といって、この嘉は吉祥とされ、その魚ということになります。
ヤマメよりも上流に棲み、水温も15度以下を好むといいます。20度を超えると衰弱するということから、もともと水の綺麗な高山に棲んでいるともいえます。
英彦山の宿坊も標高が高いところにあり、水温がとても低く冬は凍てつく寒さです。岩魚は、渓流の王様ともいわれる魚です。雑食性で虫や魚などなんでも食べます。
ただ日頃はすぐに岩場に隠れるので宿坊の池をみてもそんなに泳いでいる姿をみることはほとんどありません。人が来るとすぐに急いでいわばに隠れるので、あっという間に見失います。
小さいころ、メダカをはじめ、金魚や鮒、鯉、熱帯魚などを飼育したことがあります。水槽で飼育しましたが魚を飼うは思ったよりも大変でした。今は池で岩魚を飼育するようになって、人生の変化を感じています。
お山の魚はどれも美味で、ヤマメも岩魚も塩焼きでじっくりと炭火で焼くとどんな食べ物よりも美味しく感じます。最近は、柚子胡椒やきくらげ、他にもお山の野草などを調理することもふえて山暮らしの知恵を学び直してもいます。
自然が厳しいというのは、それだけ自然が美しいということで山はいつも澄み切った空気に包まれます。本能でその美しさに惹かれるのは、懐かしい暮らしの中の幸福感を覚えているからでしょう。
太古のむかしからある様々な生き物たちと共に、いのちを分け合い循環して生き延びてきた何かに触れると懐かしさは耀くものです。
引き続き、暮らしの伝承を通して子どもたちに場を推譲していきたいと思います。
