場づくりというものは、私にとっては「耕す」ことです。二宮尊徳は心田開発という言葉の中でこのように話します。
「我が道は先づ心田の荒蕪を開くを先とすべし」
心の中に田んぼがある、そしてその心の田んぼを耕していくことからはじまるということ。そもそも田んぼというものは、荒れた田んぼでは稲は実りません。その田んぼで稲が実るには、その田んぼのお手入れをしていかなければなりません。
雑草をとり、土をほぐし、水を入れ、それを日々に見守るという行為が耕すということです。私はこのことを田んぼの場づくり、田んぼのお手入れという言い方をします。つまりは、育つ環境を調えていくということでもあります。
そもそも育つ環境というのは、安心の環境です。安心する環境は、心を寄せてその種が安心して自分らしく育っていくように場づくりからはじめる必要があります。
深い愛情や見守り、そして手間暇を惜しまず関わります。何もしないで無視していたら、また荒れた田んぼになります。荒れるというのは、人が関わらない、人間が接しない野生の場所に帰るということです。
野生の場所というのは、人間がいない場所。本来は野生の中に人間も一緒にいて自然と人間は呼んでいます。自然と人が共生していく中にあるものが「田んぼ」ということになります。
だからこそ、その田んぼを維持していくためには人間は自己に打ち克ち、修己治人の学問をし、具体的に場をお手入れし続けて耕し続ける実践を継続していく必要があります。
つまり田んぼを守るためにも、人間性を育てていくことの両輪があってはじめて田んぼとなるのです。田作りというのは、人づくりというのはその両方とも不可分で心と体の関係に似ています。
心を守ることは体を守る事、体も心も一体になっていることで道は続いていくということ。
人の道は、まず己に克つこと。
田んぼは己に克つための道場ですから、これからも田んぼの実践から内省し心身を修養していきたいと思います。
