温故知新の伝承

古いものを新しくするというのは、ただ新品に替えることではありません。古いものの本質や智慧を、今でも活き活きと徳が発揮できるように創意工夫して磨き上げることです。

古いものは決して古くなったのではなく、古くしてしまったということです。これはマンネリ化をはじめ、磨くことをやめたことで経年劣化していくものです。本来は、経年変化といって丁寧に変化に合わせて磨いていけば味のある飴色のようなうっとりするものに変化します。この状態になっていると経営であれば老舗と呼ばれ、文化であれば伝統とも呼ばれます。

この老舗や伝統というものは、温故知新し続けているものという定義もあります。常に新しくなっていく中で、大切な理念や文化、智慧が現代も生きているということ。本質を保つために、本質であり続ける努力や精進を欠かさないということです。

例えば、老舗であれば目的や理念というものを定めて開業します。それを1000年後も同じことをするというのは、環境も価値観も人も背景も変わりますからその都度、定めたものが変わらないようにあらゆるものを変えていく必要があります。そこで働いている人たちも代々変わりますから、その都度変化し挑戦し続けてバトンを後者に渡していく必要があるものです。これはとても大変なことですが、温故知新というのは古い何を観て、何を知り新たにするかという挑戦です。

創業者が何を観て、何をしようとしたか。それを何代も後の人が継承するのですが、その都度、初代になっているというものです。初代というのは、常に創業しているということ。つまり創り続けているということです。創らなくなってしまえばそこでお仕舞です。だからこそ、守り続け、変え続けるということでしょう。修繕などもよくよく観察すると、温故知新していかなければできないことです。

この温故知新には、思いやりや真心が必要です。

引き続き、伝承を学びつつ、自分のお役目を果たしていきたいと思います。